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メモ: Inspiron 570 のHDMI接続

現在このエントリを書くのに使用しているPCは、4ヶ月ほど前に購入したDELLInspiron 570 というデスクトップモデル。 直販ページを見ていただくと分かるように、とにかく安価い。 しかも、21.5インチの液晶モニタ (ST2220L)が、これまた格安で付属してきます。 これは独立したばかりで資金の乏しかった (今でもそれほど潤沢ではありませんが) 私には非常に魅力的な製品で、即断・即決でこれを購入しました。

ほどなく商品が届いたので、早速組み立て開始。 モニタの箱には D-SubDVI-D のケーブルが同梱されていたので、迷うことなく DVI-D を手に取って、本体とモニタを接続......しようとした私の手がはたと止まります。 PC本体の背面にあるのは、D-Sub と HDMI の出力端子のみ。 DVI-D の出力端子は見当たりません。 どうやら、付属のビデオカード (Radeon HD 4200) は、DVI-D インターフェイスをサポートしていないようです。 「HDMIケーブル付けないで、使えないDVI-Dのケーブルを付けてくるって何の嫌がらせだ。」とこぼしつつ、仕方がないのでとりあえずは D-Sub で接続し、基本的な設定を終えた後、コジマに行ってHDMIケーブルを入手してきました。

さて、問題はここからです。

黒い枠

黒い枠 (イメージ)

PC本体とモニタの間をHDMIケーブルで繋ぎ換え、「これでドット・バイ・ドット (dot-by-dot) のくっきり鮮明な映像に」と喜んだのも束の間、出力された映像が右図のようにモニタの表示領域の中央に寄ってしまい、外側の部分に余白 (黒いので「余黒」と言うべきでしょうか) ができてしまいました。

これでは大きなモニタを使っている意味がないどころか、ドット・バイ・ドットにもならず映像が滲んでしまっていて、HDMI接続のメリットすらありません。 こんな出力なら、先に一時しのぎとして使用していた D-Sub 接続のほうがまだマシです。 ソフトウェア側の設定の問題かと思い、ドライバの設定をアレコレいじってみましたが、どうしてもこの「黒い枠」が消えてくれません。

困ったときの検索頼み、ということで、この問題をググってみると、やはり同じ問題に遭遇している人がいるようで、以下の情報に行き当たりました。

解決したので報告します。
DELLのサポートに働きかけ続けていたところ、ようやく本日(5/20)になって、 HD4200のアンダースキャン問題を解決できるATIのドライバ(カタリスト)が入手できました。
ドライバのバージョンは2010.0406.213.36843です。
2010/4/28にリリースされたとのことでした。

やはりドライバの不具合のようです。 さらに調べてみると、こんな情報も出てきました。

Radeon HD 4200でHDMI接続の時の黒枠を無くす方法(スケーリング設定のある場所) 資格マニアと*ist DSの関係
http://shikakumaniatoistds.blog57.fc2.com/blog-entry-278.html

なるほど、デフォルトで「アンダスキャン (underscan)」状態になっているのが問題と。 けれども、プレインストールのドライバユーティリティには、この「スケーリング」の項が見当たりません。 まあ、現在は問題が解決しているとのことなので、最新版のドライバにアップデートすればいいだろうと考え、AMD のサイトから最新版のドライバをダウンロード & インストールしたわけですが、この先にも罠が待ち構えていたのです。

Catalyst Control Center が立ち上がらない

ドライバの各種設定は、付属のユーティリティソフトウェアである Catalyst Control Center (以下CCC) で行うのですが、最新版のドライバをインストールしたら、CCC が起動しなくなってしまいました。 一応プロセスとしては上がるようなのですが、すぐに終了してしまいます。 おいこら、ふざけんな。

で、また例によってググってみたところ、以前のバージョンのCCCをアンインストールせずに、上書きインストールするとゴミが残ってしまい、それが原因で新しいバージョンのCCCが立ち上がらなくなる、という情報が。 さらには通常のアンインストールでは駄目で、専用のソフトを使ってファイルやらレジストリやらをクリーニングしないと駄目というケースもあるとか。 これはこれでかなり困った問題で、私もここで数時間を費やしてしまいました。

しかしながら、結果的にはこの「ゴミ」問題は本質的ではなかったので、情報源のリンクその他の掲載は省略します。

結局どうしたか

こうなると、最初の情報にあった、2010年 4月28日にリリースされたというドライバを試したいことろですが、ATIの公式ページでは最新版のドライバしか見当たりません。 私の探し方が悪いのかもしれませんが、どうにもこうにも旧バージョンの情報が見つからないのです。 あちこちのサイトをさまよっているうちに、以下のページを見つけました。

過去のドライバは「Previous Catalyst Display Drivers for Windows Vista (32 bit) 」から入手可能

おお、これはひょっとして!?

あるじゃないですか、3/24/2010 リリースの "Catalyst 10.3" が。

というわけで、早速これをダウンロード。 念のため現在インストールされているドライバをアンインストールしてから、手に入れたドライバをインストールします。

AMD VISION Control Center: Scaling Options (Digital Flat-Panel)

ようやくドライバの設定ユーティリティが起動しました。 なんかソフトウェアの名前が微妙に違いますが、そんな些細なことはどうでもよろしい。

Scaling: 0% (Overscan)

あとはこのスケーリングの値をオーバスキャン側にめいっぱい (0%) 倒してやれば...

dot by dot (イメージ)

フルサイズ表示になりました。 ちゃんとドット・バイ・ドットで、映像もくっきりはっきりです。

最後に

私がこの問題に遭遇したのは、最初に書いた通り、およそ四ヶ月前のこと。 そのときは、「とりあえず解決できたのだし、もう同じ問題に当たることもないだろう」と考えていたので、きれいさっぱり忘れていました。 しかしその後、実家の父から 「新しいデスクトップPCが欲しい。画面がデカくて、正規の Windows と Office が入ってて (*1)、安いやつ。」 という注文がきたのです。 最初は「そんな無茶な...。」と思ったのですが、よくよく考えてみたら、この Inspiron 570 はうってつけ。 「Microsoft Office 2010 プレインストールモデルもあるし、モニタはグレードをひとつ上げて ST2420L (24インチ) にすればよかんべ。」ということで、これを納品しました。 モニタのアンダスキャン問題も、解決方法は既に見つかってるから簡単に修正できるはず。 ところが、四ヶ月前とは Google のインデクスの内容も変化しているため、先に掲載した旧バージョンのドライバのダウンロードページになかなかたどりつくことができず、予想外の時間を浪費してしまいました。

この一件で得た教訓は「トラブルに対処したときはできるだけ詳細にこれを記録し、可能であれば公開すべし」ということ。 そんなわけで、その実践の第一歩として、このエントリを書いてみました。 同じ問題に悩む方々の一助となれば幸いです。

*1: 正規の Windows と Office
以前近所の電器屋に頼んだら、違法コピーの Windows が入っていたことがあった。
Narita (なんだかんだ言いましたが、Inspiron 570 は良い製品ですよ。)
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Comments

D-Sub ( Author: T氏 <tDKba@TVmVd> )

D-Subが1600x1200の解像度に対応してなくて全米が泣いた。
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