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簿記システム

以前の記事 (理想と現実) において、初めての確定申告を無事済ませたと書きましたが、実を言うとあまり「無事」ではありませんでした。 というのも、独立してからしばらくの間は忙しさにかまけて帳簿付けをサボっていたためです。 領収書・レシートの類も取っておいたつもりだったのですが、後から集めてみるとあちこち抜けていたり。 そんなこんなで、申告期限間際に大慌ててで帳簿を作成するハメに。 担当して頂いた税理士さんにとっても、忙しい時期に面倒この上ないクライアントであったに違いありません。

帳簿は OpenOffice.org Calc (表計算) で作成したのですが、とにかく集計とその確認が大変な手間です。 「おかしいな。この1,350円の余りはどっから出てきたんだ?」なんてことをやっていたので、三月上旬は寝不足気味で少しフラフラしていました。

さて、ここからがプログラマの悪いクセ。 「来期は帳簿を管理するシステムを作って確定申告をスマートにこなしてしまおう!」などと思い立ち、これを行うウェブアプリケーションの開発を始めてしまいました。 さいわいにして、簿記については以前手掛けた業務で一通りの勉強はしてあった (参照: Expert of Everything (2)) ので、DB設計などはすんなりとできましたが、難しいのはやはりユーザインターフェイスの設計です。

何より重視したのは、反復作業においてストレスを感じさせないこと。 取引の記録は、多くの項目を繰り返し入力するものになるため、これが円滑に進められないようではシステムとして使い物になりません。 各画面に おいてユーザが必要とするであろう情報を過不足なく表示し、編集画面では適切な入力ショートカットを提供したいところです。 また、誤ったデータが入力された場合に、それが目立つような工夫も欠かせません。

とりあえず組み上げたインターフェイスで申告が完了した前期ぶんのデータを入力してみましたが、あちこちで「コレは使いづらいな」と感じる箇所が出てきて、かなりの数の修正を施しました。 やはり、良いデザインを行おうとするならば、「ドッグフードの試食」は必須であると改めて感じた次第 。 (参照: 「デザイン」の問題)

現在のところは自分で使用するだけのシステムですが、ゆくゆくはこれを製品あるいはサービスとして提供していければ、と考えています。 「こんな機能があれば使いたい!」というような意見・要望がありましたら是非ともお寄せください。

Narita (計算問題が苦手)
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Comments

まぁいいけどさ ( Author: なま <su25gsNBoFe> )

お前さんが独立してやりたかったのはそんな事なのかと。
昔作った事のあるものをまた作ってどうする?
技術の流れは速く、エンジニアの寿命は短いぞ。

Re: まぁいいけどさ ( Author: なりた )

なま さん:
お久しぶりです。その後如何お過ごしでしょうか。

> お前さんが独立してやりたかったのはそんな事なのかと。

この問いには差し当たり "Yes" と答えておきましょう。私がやっていること、少なくともこのブログに書くものはやりたくてやっていることだとお考えください。それは趣味的なものであることもあれば、もっと先の目標のための実験や練習であることもあります。勿論、この他にも色々な仕事や試みを行っていますが、こうしてブログで紹介できるのはどうしても比較的まとまっていて、一般の方への説明が容易なものに限られてきますし。

> 昔作った事のあるものをまた作ってどうする?

このエントリで紹介したシステムは、「以前に一度作ったもの」ではなく「以前手掛けたシステム開発で得た知識を用いて作った別のシステム」です。また、同じものを作ったとしても、技術や経験が蓄積されれば、新しい機能・概念が導入されるわけで、同じジャンル・カテゴリのものを作ることに意味がないとは思いません。

> 技術の流れは速く、エンジニアの寿命は短いぞ。

なまさんはご存知かと思いますが、私は技術の先端あるいは流行を追うことにはさして興味はありません。むしろ、そうしたエッジの部分の「新規性」を追い求めるあまり、私からすれば「正しくない作り方」をされているシステムが多いと考えており、それに対してシステムを「正しく作る」とはどういうことかを問うべく独立した面があります。

もちろん、新しい分野を開拓し、眠っていた技術の可能性を模索することには大変意義のあることだと思いますが、そちらの方面はそれに意欲を持つ方々にお任せしたいと考えています。

また、エンジニアの寿命が短いというのはある意味その通りですが、それはエンジニアの側の姿勢にも原因があるように思います。泡沫 (うたかた) の如く寿命の短い流行のノウハウを追うことに明け暮れ、基礎的な知見の習得を怠るが故に、加齢に伴い走り続けることに無理が出てくるのではないでしょうか。私の観測する範囲では、体系的な知識・技術を持つエンジニアは、巷で言われる「定年」を大幅に超えて活躍しています。

そのあたりをもう少し踏み込んで語るのも一興かと存じますので、機会がありましたら是非甲府へいらしてください。山梨はワインの名所でもありますので、ノンベエのなまさんにはきっと気に入って頂けると思います。

Untitled ( Author: T氏 <3HmHne11Ntg> )

うちも呼んで。
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